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百花繚乱⑥〜薔薇〜密やかな結晶

薔薇の美しい季節となりました。

すっかり気に入った万博記念公園。

平和を祈念する薔薇園というコンセプト。アンネ・フランクへのオマージュであるオレンジと黄色が微妙な陰影を持つこの薔薇が東側を多く占めていました。

ちょうど私は、アンネ・フランクへのオマージュである、小川洋子「密やかな結晶」を読んでいる最中。この本を原作にした劇が昨年公開され、先日WOWOWで放映されました。主演の石原さとみが劇化を熱望したそうです。テレビを通しての観劇は今ひとつなのですが、この作品にはグッとのめり込みました。

時の権力者は、この世から「不要」なものを消していきます。はじめに消されたのが薔薇の花。次々と「もの」を消しそれにまつわる「記憶」を決していく権力者とそれを推進する秘密警察、そしてそれに抗う人の姿が描かれていきます。作家希望の主人公がことばをなくし記憶をなくした時、薔薇の花が蘇ります。赤い薔薇の花びらが舞うラストシーンはほのぼのと美しかったです。

薔薇園の西側は香りの良い薔薇が集められているようです。この夜来香と名付けられた薔薇の香りがひときわ強く香っていました。

蜜蜂がせっせと働いていました。美味しい蜂蜜を作ってくださいね。

あまりに気持ちよかったので、雨上がり、2日後にもう一度訪れました。雫を乗せた薔薇たちはさらに美しさをアップさせていました。

日本庭園の蓮の花、菖蒲たちも盛りを準備しています。

大阪府のコロナ感染者がゼロとなり、緊急事態宣言も解除される見通しとなりました。久々に友達とおちあって薔薇園前のカフェでちょっと一息。ピザとスパゲッティをシェアしました。

人はまだまだ疎らです。地産の様々なお野菜を乗せて、窯で炭火で焼いたピザは、やはりプロの味でした。淡路島産の小麦粉、野菜と鶏肉を使ったスパゲッティーも美味。鶏肉はほろほろに柔らかく煮込まれていました。ご馳走さま、楽しいひとときでした。

友達の一句

雨上がりアンネの薔薇に会いにゆく

                   2020 皐月18日

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たつこ
たつこ
今でも手元にある「長くつ下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」が読書体験の原点。「ギャ〜!」と叫ぶほかない失敗をたび重ねていまに至ります。

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