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しかたがなかったと言うてはいかんのです〜9月4日BS拡大版放送

以前まなびもんでもご紹介した「奇天烈議会奮闘記市民派女性市議の8年間」を執筆した元豊中市会議員の熊野以素(いそ)さん、2015年に「九州大学生体解剖事件〜70年目の真実」を岩波書店より刊行しておられます。

熊野以素さんの伯父、鳥巣太郎さんが、九州帝大医学部助教授として教授に手伝いを頼まれ立ち合ったのは、アメリカ軍捕虜の片肺を切除し、延命処置をしないまま絶命に至らせる生体解剖実験だったのです。その後、鳥巣さんは手術を止めるように教授に進言しますが聞き入れられませんでした。終戦後教授は自殺、鳥巣さんが首謀者として逮捕され、東京裁判で死刑を求刑されます。のちに減刑され、刑期を終えた後、福岡市で開業、1993年に85歳で亡くなります。

鳥巣さんの姪である熊野以素さんが、戦犯裁判記録、再審査資料、伯父伯母の手記、親族の証言を元に知られざる事実を明らかにしたのが、この本です。

https://www.iwanami.co.jp/book/b264339.html

この本を読んだ熊野以素さんの次男、律時(のりとき)さんは大きな衝撃を受けました。「大きな抗いがたい流れの中で、もう止められない、仕方がないと目をつむり、とんでもない結果を生み出す。これは現代に通じる話だ。」と、この本を原案として「事実に基づくフィクション」の形にした企画を立ち上げました。そして、この夏8月13日「終戦ドラマ」として放映されたのが『しかたがなかったと言うてはいかんのです』(妻夫木聡・蒼井優主演)でした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1798e08b075162633bfb306b1074adda2dc51363

主演の二人はこの事件のことを、これまで知らなかったそうです。しかし脚本を読み今こそこの作品が必要だと感じたそうです。妻夫木さんは「人間としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気がいたします」とコメントしています。

https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/449609.html

8月13日放映のドラマ、自らの「何もしなかった罪」に気づき、おののき、しかし、生きることを選択した主人公が絞り出すように出した言葉「しかたがなかったと言うてはいかんのです」はぐさりと胸に突き刺さりました。「しかたがなかった」・・・私自身何回この言葉を呟いて、事実に向き合わずごまかしてきたことか・・・。

https://www.nhk.or.jp/drama-blog/7550/452947.html

 

しかし一方で、見終わった後、ドラマとしては少し物足りなさを感じました。

この度、カットされていた14分間を追加した拡大版が9月4日BSで放映されることになりました。主人公太一の巣鴨プリズンでの死刑囚たちとの交流・太一救出のための妻・房子の奮闘がより丹念に描かれるそうです。そしてクライマックスでは、太一の決断のもう一つの理由が明らかになるエピソードも盛り込まれているそうです。

嬉しく思っています。きっとこの14分間があるのとないのとでは大きく感じ方が変わるのだと思います。9月4日(土)午後10時30分〜11時59分BSプレミアム、必見あるいは必録です!

https://www.nhk.or.jp/drama-blog/7550/453250.html

2021・8・27(金)パラリンピック、選手たちの頑張りに大拍手です。国立競技場からの陸上の中継録画を見ていた時、中学生たちが見学にきていると紹介がありました。若い人の感染も増えており、重症化もあり得る、と言われている今の状況で、観戦=感染とならない確信はないと思います。その時「しかたがなかった」と言えるのでしょうか?難しい判断だったとは思いますが、緊急事態宣言下東京での団体での観戦は軽率ではないか、と感じました。

本 “奇天烈”議会奮闘記〜市民派女性市議の8年間〜熊野以素8年間豊中市会議員として、前人未到と言って良い活躍をされた熊野以素さんの本「“奇天烈”議会奮闘記〜市民派女性市議の8年間」とても面白く勉強になる本です!!...
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英語学習・音楽制作・WEBデザイン・体質改善など、色んな『まなび』と『教育』をテーマにnelle*hirbel(通称ねるひる)を中心に学びクリエーターチームで情報を発信しています。 YouTubeチャンネルでは、音楽×英語の動画コンテンツと英語レッスンを生配信しています。

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