英語ブロック分けツール①
今回は、前から英語を読むために必要な知識である、
主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)・副詞句(時・場所)
について解説をします。
オンラインレッスンなどで社会人の方向けにレッスンをしていても、
「それほんと嫌い」
「しゅごとかどうしとか言われてもよくわからん」
というように、この
「S・V・O・C」という記号
に対してネガティブなイメージを持ってらっしゃる方が多いと感じますし、自分自身も学生の時苦手意識を持っていたことを覚えています。
しかし、英語を教えるようになってから、このSVOC、つまり『文の要素』というものの重要性を非常に感じるようになりました。
とは言っても、学校のテストのように細かく完璧に理解しきる必要はありません。
大まかに理解すれば、英文を前から理解する上でとても便利ですし、スピーキングやリスニング、ライティングに関してもこの文の要素を使えば驚くほど効率的に勉強することができます。
(こちらの記事→前から英語をブロック読みで、英文を前から読むことについての概要を説明しています。まだ読んでない方は、まずこちらからどうぞ!)
例文でSVOCを解説❶
文の要素とは、英文を構成する語句が、その文の中でどんな役割を果たすのかを説明したものです。
本サイトでは、基本的に下の緑枠のものを使っています。
【主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)・時間・場所】
まず次の例文を見てください。
⑴ I watched the TV program yesterday.
この文章を上記の文の要素を使って分解すると、
I(主語)/ watched(動詞)/ the TV program(目的語)/ yesterday(時間).
私は/みた/そのテレビ番組を/昨日
となります。
ひとつひとつ説明すると、
I=主語(S)
watched=動詞(V)
the TV program=目的語(O)
yesterday=時間
となりますね。ここから、更に詳しく説明していきます。
さきほど、文の要素=英文を構成する語句が、その文の中でどんな役割を果たすのか
だと説明しましたが、ここでは
「I watched the TV program yesterday.」という英文を構成する
①I
②watched
③the TV program
④yesterday
という語句のそれぞれが、「I watched the TV program yesterday.」という英文の中でどんな役割を果たしているか、
を説明しているのが
【主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・時間】
だ、ということです。
例文でSVOCを解説❷
もう1つ例文を。
⑵ He is a teacher in that school.
この文章を分解すると、
He(主語)/is(動詞)/a teacher(補語)/in that school(場所).
彼/は/1人の先生だ/あの学校の
となります。例文❶のような詳細な解説は省略してしまっても、大丈夫ですね?
Heやisなどのような語句それぞれが、
⑵ He is a teacher in that school.
という文の中でどのような役割を果たしているかを説明したものが、今回は
【主語(S)・動詞(V)・補語(C)・場所】
だということです。
英文自体は簡単ですが、前から訳す時に上記のように、
頭の中でそれぞれの語句の意味や役割を理解すること
ができると、もっと長い文章やリスニングの対応力が上がりますし、
自分が話す・書く時も頭を整理して話すことができます。
それでは、ここから文の要素(=SVOC・時・場所)を一つ一つ、解説します。
SVOCをひとつずつ解説
「主語(S)」
・文の主人公を、『主語』と言います。
・「subject(サブジェクト)」という英単語が「主語」という意味なので、
頭文字を取って主語=『S』と表記します。
・上記例文⑴↓では、
⑴ I watched the TV program yesterday.
「I (私)」が文の主人公、つまり主語(S)となります。
「動詞(V)」
・主語が行う動作を表します。
・「verb(ヴァーヴ)」という英単語が「動詞」という意味なので、
頭文字を取って動詞=『V』と表記します。
・英語の動詞には ①「一般動詞」と②「be動詞」があります。
「〜する」「〜した」など、「主人公が行う動作を表す動詞」
例:play(遊ぶ・〜する)/ watch(みる)/ sleep(寝る)
・例文⑴↓では、
⑴ I watched the TV program yesterday.
私は/みた/そのテレビ番組を/昨日
黄色の部分の「watched(みた)」が、主人公の動作で動詞(V)となります。
is, am, areなど、「は〜である」/「いる・存在する」という意味をあらわす。
原形 | be |
現在形 | is,am,are |
過去形 | was,were |
過去分詞形 | been |
・例文⑵↓では、
⑴ He is a teacher in that school.
彼/は/1人の先生だ/あの学校で
黄色の部分の「is(は〜である)」が動詞(V)となります。
「目的語(O)」
・動詞の目的・対象となるのが『目的語』です。
・「object(オブジェクト)」という英単語が「目的語」という意味なので、頭文字を取って目的語=『O』とします。
・例文⑴↓では、
⑴ I watched the TV program yesterday.
私は/みた/そのテレビ番組を/昨日
「the TV program(そのテレビ番組)」 が、watched(みた)という動詞の『目的語(O)』となっています。k、yk
「補語(C)」
最もとっつきにくいのがこの補語です。
『補語』=主語(S)や目的語(O)と‘=(イコール)’の関係になる
・「complement(コンプリメント)」という英単語が「補語」という意味なので、その頭文字を取って補語=『C』とします。
・例文⑵↓では、黄色の部分が『補語(C)』となります。
⑵He is a teacher in that school.
彼/は/1人の先生だ/あの学校で
=
a teacher (1人の先生)が
He(S)がどんなものかを詳しく説明していて、
『He(主語S)=a teacher(補語C)』となっていますね。
・もう1つ、新しい例文(3)で説明します。
⑶ He/became/a doctor/5 years ago.
彼は/なった/1人の医者に/5年前
この文でを分解すると、
⑶ He(S)/became(V)/a doctor(C)/ 5 years ago(時).
彼は/なった/1人の医者に/5年前
となり、a doctor(1人の医者)が補語(C)となって
He(S)がどんなものかを詳しく説明し、
『He(主語S)=a doctor(補語C)』となっています。
・あとひとつだけ、例文を。
⑶ She/kept/her face/beautiful/for years(時).
彼女は/保った/彼女の顔を/美しく/長い間
これを分解すると、
⑶ She(S)/kept(V)/her face(O)/beautiful(C)/for years(時).
彼女は/保った/彼女の顔を/美しく/長い間
ここでは、beautiful(美しく) が補語(C)で、
「her face(彼女の顔)」(O)がどんな状態なのかを説明し
『her face(目的語O)=beautiful(補語C)』 となっています。
「場所」・「時」などの副詞句
・『場所』や『時』を表す言葉や句・節は文末もしくは文頭にきます。
・例文⑴↓では、
⑴ I watched the TV program yesterday.
私は/みた/そのテレビ番組を/昨日
文末の「yesterday(昨日)」 が『時』を表す言葉ですね。
この『時』を表す言葉は、文頭にもってくることができます。↓
⑴ Yesterday, I watched the TV program .
昨日/私は/みた/そのテレビ番組を
文頭に持ってくるときは、「 , 」(=カンマ)を単語の後ろにつけるのがルールです。
・例文⑵↓では、
⑵He is a teacher in that school.
彼/は/1人の先生だ/あの学校で
文末の「in that school(あの学校)」が『場所』を表しています。
この『場所』を表す言葉も、文頭に持ってこれます。↓
⑵In that school, he is a teacher .
あの学校で/彼/は/1人の先生だ
こちらも、文頭に持ってくるときは「 , 」(=カンマ)を単語の後ろにつけるのがルールです。
『場所』と『時』の順番
『場所』と『時』が同時に出てきた場合、順番はどうなるのでしょう?
新しい例文(4)で確認しましょう。
⑷ I /read /a book /in the library(場所) /yesterday(時).
私は/読んだ/1札の本を/図書館で/昨日
このように、文末に『場所』と『時』がくる場合、「場所→時」の順番になります。 この文は、↓のようにも書くことができます。
⑷ Yesterday (場所), in the library (時), I read a book.
昨日/図書館で/私は/読んだ/1札の本を
このように、文頭に『場所』と『時』がくる場合は、「時→場所」となるのが基本です。
覚え方としては、
と覚えておけば良いと思います!
要素名 | 文の中での役割 |
---|---|
主語 (S) | 文の主人公 |
動詞 (V) | 文の主人公(主語)が 行う動作 一般動詞/be動詞 |
目的語 (O) | 動作の目的・対象となるもの |
補語 (C) | 主語(S)や目的語(O)と = の関係になる |
副詞句(時・場所) | 時・時間・場所・方法など |
SVOC・時・場所で英語をブロック分け
本サイトでは
S・V・O・C・時・場所
の記号を使って英文を分解して解説します。
分解する、というのはつまり、さきほどの例文↓のように「スラッシュ=/」で英文をブロックごとに分けていく、ということです。
⑷ Yesterday (場所), / in the library (時), / I / read / a book.
昨日/図書館で/私は/読んだ/1札の本を
長い文章になればなるほど、これらの記号を使って英文を前から分解することで英文が読みやすくなります。
最初はとっつきにくいかもしれませんが、慣れていけば絶対、大丈夫です。
英語が苦手な生徒を何人も見てきましたが、どの生徒さんもこの記号を使って文を分解することに慣れると、驚くほど英語力がアップしました。
頭の中が整理されて、英語へのアレルギーが少しずつなくなっていき、逆に英語が楽しくなってきます。
英語を話すとき、自分は
日本語を話す自分が、客観的に英語を話すもう1人の自分を眺めている感覚
になるんですが、それがすごく心地よいです。
自分を客観的に見る目のことを「第三の目」と言ったりしますが、
まさにその感覚。
日本語を話す時は暴走しがち笑 なんですが
英語を話す時は非常に丁寧に話すことができている、と自負してます。
一人でも多くの学習者さんが、英語を話すことができるようになれますように!