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それでも私は諦めない〜ウズベキスタン女性ディーリヤの戦い(ドキュランドへようこそ)

「ドキュランドへようこそ」11月20日(金)の番組も強烈なメッセージを放っていました。今日は、無実の罪の兄を救うために闘うウズベキスタンの女性が主人公。

https://www.nhk.jp/p/docland/ts/KZGVPVRXZN/

21年前、ウズベキスタン・カリモフ政権下ディラバル・エルキンザーダ(ディーリャ)の、兄イスカンダルは過激派の一員として逮捕され、以後連絡が取れなくなりました。彼女はいま亡命先のスェーデンに住み、兄の無実の罪を訴え続けています。

この10年で100通以上の手紙を送り続けたけれど一切返事はきません。ウズベキスタンは1991年ソビエト連峰崩壊後、イスラム原理主義者から国を守るため(と称して)、カリモフ大統領の独裁政権が続いています。1999年に起きた大統領暗殺テロの犯人として、ディーリャの兄イスカンダルは逮捕されました。

イスカンダルが収容されているジャスルック刑務所はアムネスティインターナショナルが独自に撮らせた写真のみでしか知ることが出来ません。イスカンダルから2002年に「誰も殺していない。家族がひどいことになるぞという脅迫に屈して罪を認めたのです。」という手紙が母と妹に届きました。イスカンダルは死刑を宣告されますが、ディーリャの訴えで国連から働きかけがあり死刑を免れました。

アムネスティインターナショナルのおかげで、一家は亡命でき、兄を救うための活動を行うことが出来ていました。そして、2006年国際的な抗議活動で出会った反体制派活動家を標榜するアンバルと2007年8月兄の誕生日に結婚しました。兄の自由のために共に戦うことができる人だと感じていた彼女ですが、アンバルの態度は変化していきます。アンバルは理由もなく口論を彼女にふっかけ、暴力でことの始末をつけるようになります。

アンバルは、ディーリャと出会う人をチェックし、弁護士に会うことを嫌がり、兄を助ける計画を阻もうとし、「お前の兄貴はテロリストだ」と言い放つようになります。アンバルの言動は疑惑に満ちていました。イギリスからスウェーデンそしてウズベキスタンに戻ったりしました。アンバルはノルウェーに政治亡命した人なのにウズベキスタンにやすやすと入っていけたのです。アンバルは気難かしく、何を考えているのか、彼女にはわからなかったのですが、アンバルが危険であることに気づきます。

2012年2月突然アンバルはウクライナへ行くと出かけました。そのあとスェーデンで反体制派の指導者であるナザロフ牧師が銃撃されました。今続けている活動をやめないならあなたの正体をみんなに知らせると言う彼女に対し、「お前の親族を皆殺しにしてやる」と脅迫しました。彼女は子供をつれて家を出たのですが、アンバルから離れることはできなかったようです。2016年に三番目の子どもが生まれています。(2016年カリモフ大統領は死去)

ある日、冤罪で投獄された人権活動家アザム・ファルラロムから彼女に電話がありました。彼から家族への愛情を語る兄の様子を聞き、また、彼が兄に対して過激なネガティブな思想を感じていないと聞き、兄の釈放に尽力すると言われ、彼女に希望が広がりました。

弁護士を通じて兄イスカンダルと連絡を取ることができた時、彼女は三人の子の母となっていました。しかし、兄は「自分の罪を認め判決を正しいものと受け止めており、減刑の要求は不要だ。静かにしておいてほしい。」と弁護士に語ったというのです。

その後、アンガルは、子どもたちに会いたいと泣いて懇願してきました。子どもたちを連れて行くと子どもたちは喜び、皆で遊園地に行くことにし、楽しい時間を過ごした帰り道、アンガルは急にスピードをあげ、自身は車から飛び降り、車を谷底に落とした。通りがかった車に助けられたのですが、アンガルは出国後で、彼がスパイだったことがわかりました。〜凄まじい手口に・・・言葉もありません・・・権力の恐ろしさを感じ身の毛がよだちます。

彼女はそれでも活動を続けます。兄と同様に刑務所にいた兄の幼なじみから「罪を認めた方が早く刑務所から出られる。イスカンダルもそれに気づいたんだ。無実を主張すればするほど刑期を延長されるのだ。」と言われた後も同様に彼女は兄の無実を人々に訴え続けます。2018年、22年ぶりにウズベキスタン大統領がフランスを訪れた時も、彼女はイスカンダルの釈放を求める活動を行いました。多くの賛同者が集まりました。

2019年、ジャスルックス刑務所を訪れた人権政治家と、兄イスカンダルが出会った様子が報道されました。穏やかな表情で映る兄との再会は間近だと感じられますが、まだ実現はしていないようです。

この21年間の彼らの深い苦しみに慄然とし、それでも諦めない強さ、粘り強く支える人々に対し、尊敬の念を持ちました。心からこの家族に幸いあれと強く強く願います。

この作品も不要な解説はなく、淡々と彼女の言葉を中心に進められて行きました。製作者に敬意を払いたいと思います。

2020年11月20日(金)

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たつこ
たつこ
今でも手元にある「長くつ下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」が読書体験の原点。「ギャ〜!」と叫ぶほかない失敗をたび重ねていまに至ります。

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