manabimon(まなびもん)

家持追っかけ旅.⑦last.富山

旅の最後は、富山市です。高志の国文学館が目的地。http://www.koshibun.jp/

この高志の国文学館の館長が、先日このブログで、本(万葉歌人の愛、そして悲劇)を紹介した中西進氏です。中西進監修、高志の国文学館編・解説、桂書房の「官人 大伴家持〜困難な時代を生きた良心」 http://www.katsurabook.com/booklist/1049/

「歌人 大伴家持〜現代と響きあう詩心」http://www.koshibun.jp/tid=100304

は、わかりやすく家持のことをまとめており、また、図版も見やすく美しく、とても良い本です。

 

ここに到着した時お腹が空いていたので併設のフランス料理店シエ・ヨシhttp://www.koshibun.jp/restaurant

を覗くと予約でいっぱいらしい・・・でもちょうど昼時のお客さんが引ける時間だったのでラッキー!入れました。

前菜からデザートまで大満足!いざ文学館見学!

この文学館は家持だけでなく、富山に関連する文学者(堀田善衛・源氏鶏太など)や文学作品(宮本輝の螢川など)、漫画家(藤子不二雄A、藤子・F・不二雄など)、映画監督(滝田洋二郎)アニメ監督(細田守)などの展示を、工夫を凝らして行なっていました。様々な人々が富山と関連を持っていて、盛りだくさんでじっくり見だしたら時間がいくらあっても足りません。お気に入りの誰かを集中してみる見方が良いのでしょうね。家持についての展示はその生涯を描いたデジタル絵画や、歌に合わせたデジタル映像がありました。

そして特別展としては「国際アンデルセン賞受賞記念展 角野栄子の魔女」が行われていました。ジブリの映画「魔女の宅急便」の原作者として有名な角野栄子さんの足跡を辿った展覧会。私たちの母と同世代の彼女はやはり戦争の影響を大きく受けていました。その胆力と努力に驚きながら、また素敵な絵本の原画なども楽しめました。

私は魔女の宅急便、くらいしか読んだことがなく、これから角野作品を読んでいこうと思いました。なかなか忙しくなります。お土産に「小さなおばけ」シリーズを一冊購入。

出口には、角野さんの大事な本100冊が展示されていました。これまた魅力的でここにある本も読みたい・・・大変だ

角野さんの眼鏡も素敵。私も色んな色の眼鏡にチャレンジしてみよう!帰り道可愛い子達が見送ってくれました。

これで今年の夏の旅は終わりです。家持を追いかけて能登半島から富山までやってきました。良い旅でした。富山駅から立山を見たかったのですが、生憎見ることができず残念。他にも沢山見逃した場所やモノがあります。またいつか訪れたいと思います。

 

家持が越中に別れを告げ、都に帰ったのは751年旧暦8月5日(陽暦9月3日)です。その前日の夜の宴で詠じた歌。

しな離る 越に五年 住み住みて 立ち別れまく 惜しき初夜かも (巻十九 4250)

しなざかる こしにいつとせ すみすみて たちわかれまく おしきよひかも

幾重もの山をへだてた越の国に五年間住み続けて、立ち別れることが惜しい今宵よ。

越(高志)の国の自然と人々との直の触れ合いは家持に223首もの歌をもたらしました。そして万葉集巻十七を録した大伴池主、巻十八を録した久米広縄と交流を深めた土地でもありました。家持の帰京途中、この三人は越前国の池主の家で出会います。

1269年後、2020.9.3(木) 今日も月が美しいです。