中之島香雪美術館で開催中の「伊勢物語〜絵になる男の一代記」もいよいよ大詰め、11月27日(日)までとなりました。
10月19日に前期に行き、今ひとつ全体像を掴めなかったという感想をこのブログに書きました。
その後、企画されていた講演会を申込んでいたにもかかわらず、残念ながら所用で行けなくなりました。前後半で展示物が変わる、というのは最近の展覧会に多いのですがちょっとずるいなあと思っています。香雪美術館は前後半両方観た場合、200円引となっていましたが、正直半額くらいにしてほしいなあ・・・。とはいえ、諸物価高騰のおり、美術館の経営も大変と聞きます、あまり我儘は言えないか。
今回の私の最大の目的は、伝俵屋宗達の伊勢物語図色紙「芥川」(第6段)です。
藤原高子が清和天皇妃として入内する前、業平は高子と恋に落ち、高子を奪って逃げますが、兄たちによって引き離された。
・・・男が高貴な姫をおぶって暗闇の中を歩いているとき、草の上におりている露が光るのを見たとき、姫は「あれは何?」と尋ねます。雷雨が酷くなり小屋に逃げ込んだ二人だが、たちまち鬼が姫を食べてしまったのです。男は地団駄踏んで「白玉か何ぞと人の問皮脂とき露とこたへて消えなましものを(あの光るものは何?真珠なの?とあの人が尋ねたとき、あれは露ですよと答えて、私も露のようにそのまま消えてしまえばよかった。そうすれば、こんなに辛い思いをしなくて済んだのに)」と歌いました。・・・伊勢物語では兄たちを鬼と表現しています。
この段の表現の美しさを表現して余すところのない宗達の絵です。見ることができて幸せでした。
また、岩佐又兵衛の「在原業平図」の、立ち姿絵も繊細で美しく素晴らしかったです。
https://salonofvertigo.blogspot.com/2013/05/blog-post_5.html
また二回じっくり回ることで、展覧会の全体像も少し掴めたような気がします。香雪美術館さんあれこれ文句言ってごめんなさい。特別展図録は売り切れでした。人気です!
高子さんについては、東博を見に行った回でも書いています。よろしければ合わせてお読みください。
2022年11月25日(金)秋晴れの良い天気でした。ブラックフライデーとかで人出も多いようですね。
追記)その後、友人から図録を借りることができました。ゆっくりじっくり読むことができてとても嬉しかったです。