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さんぽ 旧吹田の町を歩く

10月28日(月)「旧吹田市街の史跡名所を訪ねて」というイベントに参加しました。自分一人で移動する範囲は思いの外狭くて、地元のことって意外に知らないものです。

阪急吹田駅前に集合、吹田の歴史をザクッと聞いた後、泉殿宮(いずどのぐう)へ。

869年(清和天皇・貞観11年)旱魃により、疫病が蔓延し、人々が苦しんでいる時に、播磨(姫路)の広峯神社より立ち寄った御神輿に降雨を祈ったところ、たちどころに驟雨がもたらされ、旱害から救われたことが始まりとされています。

その時にこの地に清水が湧き出しました。この「泉殿霊泉」は1889(明治22年)ドイツのミュンヘンで「ビール醸造に最適」と評価され、大阪麦酒(現在のアサヒビール)が当宮付近に進出しました。湧水は昭和30年代に枯渇しました。境内に残る「泉殿霊泉」はその遺構とされています。

私たちの見学に合わせて宮司さんが横笛を吹いてくださっていました。ありがとうございます。藤原南家末流の宮脇家が代々宮司を務めておられます。

1837年(天保8年)に起こった「大塩平八郎の乱」に際し、当時の宮司・宮脇志摩が大塩平八郎の叔父であったことから乱の首謀者の一人と疑われ、志摩は自害し、男児もことごとく天草や壱岐へ遠島に処せられ(お腹の中にいた末の子は7歳になるのを待って隠岐島へ流されました)、家門は欠所となりました。約30年後、明治維新で名誉回復がなされ、宮脇家が再び当宮の宮司となったのです。

一年を通じて、さまざまな祭りが催されていて、「だんじり」まであることも全然知りませんでした。

http://www.idudono.jp/index.html

タモリさんが喜びそうなY字路(参道と旧吹田街道)を通り、JR東海道線の下をくぐって、常光円満寺へ。奈良時代に行基が開いたと伝えられ、1300年の歴史を誇っています。

旧家が残る街並みには、大きな木や、船板で作った板塀が残っています。船板は水でアク抜きされていて防火に強いのだそうです。

当時は家の前に船がつき、荷物の出し入れをしたそうです。

旧仙洞御料庄屋屋敷(西尾家住宅)は残念ながら工事中で入れませんでした。西尾家は、夭折の天才音楽家貴志康一(ベルリンフィルで東洋人初の指揮をした)をうみました。また、牧野富太郎博士の研究を援助しました。大正時代にはテニスの普及にもつとめたそうです。

椋の大木があった大の木神社です。神崎川を通る船の目印にされた大木は昭和9年の室戸台風で折れたそうです。平安時代末期から、貴族の別荘として、京都の北山・宇治・大阪の天王寺・吹田の4箇所が別荘地としてもてはやされたそうです。ここには、西園寺家の別荘がありました。今は泉殿宮御旅所となっています。

吹田出身のおそらく唯一の大関松の音善三のお墓。

お墓前の公園は泪の池公園となっています。ここは平家の落武者平影清が、匿ってくれた伯父を誤って刺し殺してしまい刀を洗った池とされています。伯父は「そばでも打ってご馳走しよう」と言ったのに、「自分を討つ」の意味に取ってしまったのです。池は真っ赤に染まりその後「血の池」と呼ばれました。埋め立てられた後血の池公園となっていましたが、戦後名前を泪の池公園に改めたそうです。

5代目高浜橋(1998(平成10)年完成)。吊り橋のワイヤーは松葉をイメージしているそうです。

神崎川は古くは三国川と呼ばれていて、吹田から尼崎(大物)を経て大阪湾に注いていました。今は、淀川に向けて掘削された運河(神崎川)の地点から上流を安威川、下流を神崎川と呼んでいるそうです。桓武天皇(785(延暦4)年)の頃、三国川と淀川を直結させる工事をおこわれました。

吹田の渡しは、大阪と北摂方面をつなぐ渡しとして重要視されました。江戸時代は軍事上橋がなく、交通は全て渡し船で行われていました。

吹田村の旧庄屋(回槽業者でもあった)屋敷跡を、吹田歴史文化まちづくりセンターとして改修整備された、「浜屋敷」で一息つきました。

だんじりも展示されていました。現在でも曳航できるだんじりが7台も残っているのは大阪府内でも珍しいことなのだそうです。だんじりのある町は、金田町・川面町・神境町・六地蔵・西奥町・浜野堂・都呂須町だそうです。

旧吹田の正面玄関ともいえる、高浜神社から、旧吹田市役所発祥の地(旗本竹中領の陣屋跡に町役場が置かれ市政移行後1年間はここが市役所でした)、新旭通商店街(旭町商店街の裏側を再開発しています)を通り、解散となりました。

新旭町商店街の松月堂で草餅桜餅を購入しました。美味でした。この秋のドラフト会議で話題を呼んでいた、金丸夢斗さんのサインがさりげなく飾ってあった整骨院のもありました。

表通りは貫禄の賑わい。元気な商店街です。

何もわからず闇雲に歩くのとは違って、いろいろなお話を聞きながらの街歩き、楽しかったです。ブラ吹田、機会があれば何度でも楽しみたいです。

2022年10月   これを書いている今はもう11月、あっという間に時は経ちます。

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たつこ
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今でも手元にある「長くつ下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」が読書体験の原点。「ギャ〜!」と叫ぶほかない失敗をたび重ねていまに至ります。

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