高岡市万葉歴史館には四季の庭がありました。8月、花の少ない時期です。高砂百合がたくさん咲いており、玄関にも飾ってありました。この百合は、私の職場でも今年たくさん咲いて心和ませてくれました。が、実は外来種で駆除対象になっているのだそうです。https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81040.html
とはいえ、私たちの身の回りにある様々な生き物で、もはや日本の風景となっている物の中にも外来種はとてもたくさんあり、高砂百合だけを目の敵にするのはフェアでないですね。
他に万葉歴史館の庭にあった植物。
ヒオウギ。根や茎を生薬「射干」として用い、実は漆黒で、黒に掛かる枕詞「ぬばたまの(射干玉の)」の元とされているそうです。初めて見た花でした。
多分藪蘭(ヤブラン)だと思います。綺麗な紫の花。8月はこのように紫の小さな花束をつけた花が多いように思います。
ひまわり。17世紀に日本に伝来したそうです。
藪椿の葉。瑞々しく美しい。益荒男(ますらお)の伴、なのですね。
山吹。長い間咲いている花です。家持と池主②のアイキャッチ画像に使いました。
興味深い展示物の中から三点。一つは防人像。悲しげな、シュッとした顔が印象的です。家持が防人の歌を集めてくれていて本当に良かった、歌が残っているのといないのとではこの像を見たときの感情が全然違うでしょうね。
もう一点は家持の直筆の署名。字は人をあらわすと言います。たっぷりとした「家」の字。少し右肩上がりの「持」の字。家持の落ち着きと繊細さの両方をあらわすように感じます。
三つ目は犬飼孝さんの筆による家持の歌。
(万葉集巻十九4143)
もののふの やそおとめらが くみまがう てらいのうえの かたかごのはな
延臣の多くの少女たちが入り乱れて水を汲む。その寺井の上の堅香子(かたくり)の花よ。
可憐な少女たちとカタクリの花が重なって美しい風景を描いています。いい歌ですね。
万葉歴史館を出ると近くにかたかご幼稚園保育園がありました。そして道路には堅香子(かたくり)の花をあしらった排水溝蓋が。
2020.9.2 台風が九州地方に接近。被害の少ないことを祈ります。