フットサルFリーグのYS横浜が、サッカー元ミャンマー代表で難民指定されたGKピエリアンアウンさん25歳の加入が決まったと、9月10日発表しました。同時にサッカー元日本代表松井大輔さんとも契約が結ばれたことも発表されました。14日に加入会見が行われるそうです。
9月11日読売オンラインでピエリアンアウンさんのことが取り上げられていました。https://www.yomiuri.co.jp/national/20210909-OYT1T50178/
ミャンマー代表としてW杯アジア2次予選のため来日、5月28日試合後「世界にミャンマーの現状を知ってもらいたい」と三本指を掲げました。彼自身の想像以上に世界で大きく報道されたため、軍から弾圧されることを危惧した支援者から「帰らない方がいい」と忠告を受け、帰国を拒否しました。難民申請は異例の早さで8月に認定されました。
関西空港で帰国を拒否したことが報道されると、軍はすぐに彼の実家の住所を割り出し、その周りを包囲したそうです。新型コロナウィルスの感染拡大で外出自体がままならない中、父親からは「家族のことは心配しないで頑張って」とエールが送られているといいます(SNSで家族との連絡は取れているそうです。ホッとします)。しかし、何が起こるかわからないという恐怖心・心配が彼を襲います。
8月に難民申請が認められた後、YS横浜が練習生として受け入れてくれ、週6日の練習の後に日本語を勉強しながら頑張っていました。
ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」によると、国軍の弾圧による市民の犠牲者は8月中旬現在、1000人を超えました。国軍への抗議デモの中心となっている、アウンと同世代の若者たちがその中心です。日本では「デモに参加した人が1週間後に遺体で帰ってくるようなこともない」という安心の中で暮らすことができます。アウンに対しては「税金を返せ」などの厳しい批判があるそうです。読売新聞の取材中、彼は何回も「御免なさい」を繰り返したそうです。なぜ彼がそんなに批判され、謝らなければならないのでしょうか?「故郷のミャンマーに帰りたい、日本は平和だから難民申請をしたけれどずっと住みたいわけではない」とも言います。当然ですよね、誰にとっても故郷は大切。
「危険な母国から逃れる権利、命を守る権利は誰にでも保証されるべきものだ」(難民支援協会JAR広報部・伏見和子さん)という当然のことを私たちはもう一度見直すべきですね。
12日沖縄に住むミャンマー人たちが講義の三本指を掲げてデモを行ったというニュースが流れました。14日から始まる国連総会を前に、日本政府に対し、軍部ではなく国民に選ばれた国民統一政府をミャンマーの正当な政府と認めるよう求めています。「友達の中でデモに参加している時に軍に捕まえられて、いまどこにいるのかわからない何名かがいます。国外にいる私はできることをやるためにデモに参加しました」という声も。アウンのいうとおり、デモに参加したからといって殺されることは日本ではない(はずです)。しかし、ミャンマーで起きていることは、私たち日本人にとっても他人事ではないことだと私は感じます。
アウン選手とともにYS横浜に加入した松井大輔選手は、昨年12月J1の鳥栖から、ベトナムのサイゴンFCに移籍。様々な困難の中7試合に出場しました。しかしコロナ禍の中、リーグは中断し、帰国を余儀なくされたそうです。
そのような二人とYS横浜はどのような考え、経緯で契約を結んだのか、そして彼ら二人のそれぞれの気持ちはどのようなものなのか。14日の記者会見に注目です!
2021・9・13(月) 早くも9月中旬、虫の声が最盛期です。日本では鳴く虫は200種以上いるそうです。達人は20種類の虫の声を聞き分けるとか。さっきから耳を澄ませて聞いていますが、せいぜい5種類くらいかな・・・違うなと感じる音。アウン選手はこの虫の声をどのように聞いているのでしょうか。
スポーツ選手も、アーティストも、どんな人でも政治と離れて生きることはできない。そう思います。
日本でデモに参加しても遺体で帰ってくることはない、確かにそうですが、ヘイトスピーチ、フェミニズミバッシングなどの、悪辣さ、凄まじさなどをみていると、日本も紙一重でそういう淵に陥る危うさを持っていると思う
コメントありがとうございました。第一号です。
ピエリアンアウンさんに寄せられたというバッシング、その酷さは想像に難くなく、しかし彼は自分の傷つきの原因を自分や祖国に向け、日本人に対しては謝る言葉を繰り返し言うしかない。その構図は恐ろしいものですね。