昔々〜40年も前のこと、名古屋にある染色工場・帝然さん、を見学しました。とても高度な注染技術を持つ工場でした。私の父は風呂敷の製造卸の仕事をしていて、その工場は専属工場でした。ご主人は京都工芸繊維大学出身で理論と職人技の両方を持ち合わせておられました。奥さまのご実家は、有松絞りの工房ということで、有松絞りの反物をプレゼントしてくださいました。
有松絞りは、江戸時代、木綿と藍染が生産されるようになったとき、現在の名古屋市緑区有松・鳴海地域で作られ、尾張藩が藩の特産品として庇護し、全国に流通したものです。東海道にあるこの地域は、参勤交代で江戸と往来する西の諸大名たちの宿場でもあり、旅人が故郷への土産物としてこぞって絞りの手ぬぐいや浴衣などを買い求め、これが街道一の名産品となりました。その繁栄ぶりは、北斎や広重の浮世絵に描かれたほどでした。
様々な糸のくくりの技法と、技法の組み合わせによって生じる多彩な模様は最盛期には100種類以上、現在に伝え知られているものだけでも70種類はあり、その種類の豊富さにおいて世界一とみられ、他の絞り染め生産地に類を見ないそうです。https://story.nakagawa-masashichi.jp/craft_post/121392
私が頂いた反物はこれです。筋絞りというそうで女性用の浴衣地として人気なのだそうです。https://kimono-cocoro5.com/arimatu-narumisibori-yukata/
上等な浴衣地を下手なミシンで縫ってしまっていいのか、少し迷いましたが、40年以上寝かせていて、この先浴衣にする見通しもないので、思い切ってワンピースを作ることにしました。
着物リメイクの本に載っていたこの写真は絹100%の和布Tシャツで、この作り方を参考にしました。
⑴布幅は34センチです。布を切ります。(A)128センチ1枚、(B)95センチ4枚。布周りにジグザグミシンをかけます。
⑵(A)の布を中表に半分に折り、縫い代1センチで肩を縫います。その際襟ぐり30センチをあけます。縫い代を割ってアイロンを当て、襟ぐり周りを縫います。
⑶袖口を2センチの三つ折りにして縫います。
⑷袖の部分は輪のままにし、身頃の付け位置を切ります。
⑸(B)の布を中表にして95センチ部分を縫い合わせます。(縫い代1センチ)縫い代を割りアイロンをかけます。・・(C)
⑹(C)の布、34センチのところにポケットをつけます。私は布袋をつけました。
⑺ヨークに身頃をつけます。前ヨークと前身頃の縫い代を中表に合わせて縫い、ヨーク側に倒します。後ろ身頃も同様に縫います。(縫い代1センチ)
⑻中表にして前後身頃を縫い合わせます。裾から28センチのところで脇の縫い合わせを止めます。縫い代を割って前から後ろに縫い、スリットにします。裾は1センチ三つ折りにして縫います。
出来上がりはこれです。
手順⑵で私は襟ぐりを32センチにしてしまい。襟が開きすぎたので、前真ん中で詰め、ダーツをとりました。前と後ろを見分ける意味もあります。
さすが浴衣地、さらっとしていて着心地よいですし、外出後すぐに手洗いして干したら、ものの1時間で乾きます。暑い夏の一着として重宝しています。
夏の盛り、母の日にもらって植えた向日葵の種が花開きました。
また、職場からもらって帰ったゴーヤの苗が蔓を伸ばして花をつけました。
2022・8・1(月)新しい命を授かって一ヶ月が過ぎました。疾風怒濤の毎日です。