映画『本を綴る』には、那須塩原、京都、香川、の素敵な図書館や、本屋さんが登場しました。映像も美しく、それぞれの場所に登場する、本と関わる人々が、魅力的な作品でした。
が、ちょっと物足りなさを感じました。
その理由の一つは、皆が「標準語」を喋っていることでした。それぞれの地域に根ざす人を描くならば、それぞれの地域の言葉を喋ってほしい、と思うのは、私だけでしょうか?自分が関西の人間なので、特に、京都で生まれ育ったはずの花さんの言葉や、香川で出会う結城さんや旅館の女将さんの言葉の、イントネーションにひっかかりました。そんなところにひっかかって、お話が、ストンとお腹に落ちないのも変なのですが。
(方言というのはとても微妙なものなので、使ってもらうのはとても難しい、ということもあるでしょうね。)
また、主人公と一通のラブレターとの出会いから繋がっていく旅での出来事が、素敵な話ではあるけれど、出来過ぎというか・・・もちろん「事実は小説より奇なり」だから、そういうことも起こるんだろうけど、なんだかなあ・・・と感じてしまいました。
この映画を見終わってから、元々ユーチューブで配信されていた、約10分✖️9話の「本を贈る」をみました。「昔々あるところに〜」という絵本の読み聞かせの声からはじまる9話、絵本の読み聞かせで終わります。こちらは、ストンと物語がお腹に入ってきました。(文句の多い私・・・絵本の内容にはちょっと引っかかりました。「なぜお姫様?ドラゴンと戦って薔薇の花を贈る男性は?お姫様はただ本を贈るだけの人?できれば自分の作った本を贈って欲しかったな」・・・(すいません文句が多くて))
そうか、映画はきっと詰め込みすぎたんだ。魅力的な場所がたくさんあって、魅力的な人がたくさんいて、素敵な偶然が連なって、主人公の苦しみの浄化に到達した、その繋がりが、どこを削るのも難しかった結果のことなんだ、と、今思い至っています。
登場人物は皆魅力的な人ばかりだし、その後の、主人公たち、登場人物一人一人、の物語も気になります。「是非続編を作ってほしい」と、これは強く思いました。
2025年1月31日(金)この日は映画の後に、天四にある前から気になっていたお店に入りました。いろいろ美味しそうなものがたくさんありましたが、ランチに食べたキッシュセットがボリューミーで、他には手が出ず、出直しを誓いました。

