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山崎エマ監督の、話題のドキュメンタリー映画を観ました。
「6歳児はどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは“日本人”になっている」
日本とイギリスの血を受け、日本の大阪の公立小学校を卒業後、インターナショナルスクールで学び、海外生活も長い、山崎エマさん。自分を振り返った時、特に海外で褒められる彼女の特長は、小学校生活で培われたものが多かったと思い至ったそうです。
日本の教育についてもう一度見直したい、と考えた彼女は、公立小学校を撮影しようと、たくさんの学校にオファーしたのですが、なかなかOKが出ませんでした。5年かけて、やっと、東京の塚戸小学校で撮影の許可が降り、撮影を開始しようとしたら、コロナ禍が世界を襲いました。そんな2021年4月、撮影クルーは子どもたちと共に学校生活を送りはじめました。
1年生と6年生の一年間を丁寧に追い続けた画面からは、一人一人の子どもたちそれぞれの成長の息遣いが聞こえてきます。笑ったり、喋ったり、泣いたり、苦しんだり、怒ったり、怒られたり、助けたり、助けられたり、、、いろいろの体験が、彼らを大きくしていく様子が、観ている私たちには、手に取るように伝わります(子どもたち自身や、近くにいる人には、その時にはわからないかもしれません)。どんな体験も、何一つ無駄じゃない、間違いじゃない、と思えます。
同時に先生たちの、喜び、悩み、迷い、努力、話し合い、、、も、映し出されます。コロナ禍下での、リモート授業、時間差登下校、学校生活の細々とした配慮、行事への取り組み、、、。その苦労は、全て子どもたちの体験を、実のあるものにしたい、という思いに貫かれます。
「この仕事向いていないんじゃないかと思う時があります、子どもとの距離の取り方が難しい」という一言、教員経験者は誰しも持つことのある思いではないでしょうか。そんな、不安を抱えながら、一方で、手応えという喜びに支えられながら、先生方の暮らしも刻まれていきます。
「良いところどり」の映像じゃないか、と感じる人も、いるかもしれません。でも、私は、そうではないと感じました。日本中の学校の日常生活がここにもある、特別ではない生活がここにある、と感じました。
映像の中でも語られますが、日本の教育には、「良い面」も「悪い面」もあります。その両面を把握しながら、おとなたちが、自分を振り返りながら、子どもたちに接していくことの大切さを、この映画から強く感じました。
海外、特にフィンランドでこの映画は注目されているそうです。
日本でも話題になっています。多くの人たちに、ご覧いただきたい映画です。

2025年2月末 梅がやっと咲き出しました。嬉しいです。

