東京でも大阪でもコロナ感染拡大が止みません。緊急事態宣言が明日出ることになりました。「オリンピックは家でテレビで」という呼びかけ、有観客に拘っていた人から言われてもあまり効果はないようです。昨年の今頃来年は収まっていたらいいなあ、と言っていましたが、有識者の方々は一年ですむ感染拡大ではない、と言っておられました、その通りになりました。
週末、家に閉じこもって針仕事をしていました。可愛い忘れ物をもとに涎掛け（スタイ＝bib)を二枚（一枚はマスク、一枚はチュニックのあまり布で）作りました。リバーシブルです。
それから、130センチの女の子用のワンピースを作りました。簡単そうなのを選んだのですがこれが大変で、本に書いてある順番にやっていると、途中省略されていることが多くあり（縫った後の縫い代の始末の仕方など）、初心者の私は大混乱。バイヤステープで袖ぐりを始末するやり方も遠い昔に確かやったけれどなあ・・・本の説明では分からない、それでユーチューブを見たのですがそれでも分からない。まあいいや、適当にやっちゃえ！ということでかなり強引な自分流。
最後は、前ヨーク後ろヨークの縫い代の始末がうまくいかず、結局ミナペルホネンの端切れ登場となりました。チクチクと端切れを縫い付けるのもまた楽し。
内ポケットにも初挑戦ですが、これも結局本を解読できず、我流です。
出来上がりはこれ。
と、下手くそな作品をブログにアップして私は何をしているんでしょうね・・・。うーむ、下手なんですが見せたいんですね😅、そして、針仕事、しんどいのですが、楽しいんですね。小さい時着ていた服は、母が手作りしていたなあ、そういえば母は刺繍もしていたなあ、と思い出しながら。母は決して洋裁が得意とか好きとかではなかったようですが、あの頃は割と皆、手作りの服を着ていたのですね。義母は和裁が得意で、沢山の人のために着物を縫ってきました。縫うための沢山の知識技術が体の中に染み込んでいる様子が折々に感じられます。
糸の歴史って？と検索すると
5万年前ネアンデルタール人が針葉樹の繊維から糸を作っていた発見についての報告があります。
https://buzzap.jp/news/20200413-oldest-string-50000years-ago/
福井県の鳥浜遺跡から約1万年前の日本最古の糸が発見されたというニュースもありました。
https://www.asahi.com/articles/ASK6M63HYK6MPLBJ00H.html
東北地方の縄文遺跡が世界遺産になったのは記憶に新しいところですが、当然のことながら東北地方以外にも縄文遺跡はあり、素晴らしい遺産が残っています。長い長い間、人は一本の糸から布を作り、その布を様々に利用して生きてきました。実際に針仕事をしていると、そんな歴史の繰り返しの中に自分がいることを、体感します。
おととい、ねるひるが、中島みゆきの「糸」をアップしたのには少し驚きました。自分が、「糸」の力の強さをしみじみと感じていた時だったから。
細くて頼りない糸、間違って刺してしまった糸、こんがらがってしまった糸、必ずそういう糸に苛ついて腹が立ってやめたくなるのですが、糸って結構融通が効くのでなんとかなる。そういう糸と人の生き様を重ねて歌っている中島みゆきさんの歌詞は素晴らしいですね。
２番、「こんな糸が何になるの。心許なくてふるえてた風の中」・・・（「この一本の糸で何ができるの？。たった一人で誰も頼れなくて辛い気持ちで強風の中にいる」とねるひるは英訳しました）・・・からサビの「縦の糸は私、横の糸はあなた 逢うべき人に逢えることを人は仕合せと呼びます。」へ。「仕合せ」をあえて「幸せ」としなかった素晴らしさ。「仕合わせ」とは「良い巡り会い」という意味です。ねるひるは色々考えたそうですが、「愛の中の運命 a fate in love」と訳しました。人は大きな愛のつながりの中にいる、その巡り合いを大事にしたいですね。
最後に、万葉集に出てくる「針と糸」一首。
わが背子が 著（け）せる衣の 針目落ちず 入りにけらしも わが情（こころ）さえ 万葉集巻四 515 阿倍郎女（あべのいらつめ）
縫って差し上げるあなたのお着物の針目に糸ばかりか、私の心まで残らず入ってしまったようです。
阿倍郎女は万葉集に恋の歌５首を残しています。一人の女性とは限らないそうです。針と糸に込められた思いの強さと優しさは永遠のものですね。
2021・8・1(日)旧暦6月23日
