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煙草とダンス〜トーベ・マルクスの娘 /ドライブ・マイ・カー

今日はシネ・リーブルで映画「トーベ」を観ました。https://klockworx-v.com/tove/

1944年第二次世界大戦の爆撃のシーンから始まるこの映画、瓦礫の中でムーミントロールの物語が動き出します。この時トーベ30歳。彫刻家の父の「それは芸術なのか?」の言葉がずっと彼女を縛り続けます。彼女は親の元を離れ、自由を求め、絵を描き続け、様々な人と出会います。

トーべを演じるアルマ・ボウスティがとても魅力的です。トーべの様々な面を繊細に自然に演じています。

監督のザイダ・バリリュードは、初め、トーベに対して、賢く落ち着いた印象を持っていたそうですが、映画の製作に当たりリサーチしていくうちに、彼女の持つ情熱・エネルギー・強い感情・表現力・型破りな考え方、に驚いたそうです。「トーベの知られざる一面を、可能な限り忠実に繊細に描くことで、彼女がいかに情熱的な人物で自由を愛していたかを映画を観た方に知ってほしい」「彼女の人生にはどうしようもなく傷ついた時期もありましたが、彼女の世界や人々への美しい見識は失われませんでした」と語る、ザイダ・バリリュードは、トーベの人生の最も重要な約15年間を切り取り描きました。ザイダのお母さんも画家でアーティストに囲まれて育ったそうです。そんな彼女が生き生きと50年以上前のアーティスト達の様子を描いている映画です。続編が見たい、と思います。

もっとトーベについて知りたいと思い、図書館から「ムーミンのふたつの顔 冨原眞弓著 筑摩書房」を借りてきました。「子どもの作家・大人の作家」「ムーミンシリーズ前半(冒険する夏の顔)と後半(厄災と葛藤の冬の顔)」「ヨーロッパのムーミン・日本のムーミン」というような二面性を持つムーミンをトーベの伝記と絡めて描かれたこの本、面白いです。https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480839046/

 

1ヶ月ほど前に観た「ミス・マルクス」も良い映画でした。https://missmarx-movie.com/

19世紀を代表する哲学者・経済学者カール・マスクスの末娘エリノア、生涯を労働者・子ども・女性の権利獲得に捧げた彼女は、しかし彼女を搾取する社会主義者・劇作家の男との関係に絶望し自ら命を断ちました。その激動の半生を1883年のカール・マルクスの死から描いた映画です。

エレノアを演じるロモーラ・ガライ、魅力的です。

60年の時間がそれぞれの映画の始まりの間にありますが、映画の中で描かれる、父と娘の関係、抑圧的な周囲との確執、自らの内面の葛藤、は時を超えて普遍的なテーマで、私たち自身のあり方と共鳴します。そして彼女たちと同時期を生きた曽祖母や祖母や母たちの人生に想いを馳せるきっかけにもなりました。時代は大きく変わったと言われますが、私たちを埋め込もうとする社会の価値観の存在は変わらずあります。

映画の中で、女たちは(男たちも)、実によく煙草を吸います。そして肝心なシーンで激しく踊る。なぜ煙草を吸い踊るのか。煙草を吸う事が時代の空気を先取りする意味を持ち、踊ることは自分らしく生きることを象徴するのでしょう。

2021・10・19(火)

「煙草を吸う」と言えば、日本映画「ドライブ・マイ・カー」https://dmc.bitters.co.jp/でも登場人物たちはしきりに煙草を吸っていました。踊ってもいました。私は大きな違和感を煙草を吸う登場人物たちに持ったのですが、彼らが煙草を吸う意味はもちろんあると思います。それは、どういう意味なんでしょうか? トーベやミス・マルクスとは違いますよね、きっと。でも踊りの持つ意味はおんなじなんじゃないかな?

 

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英語学習・音楽制作・WEBデザイン・体質改善など、色んな『まなび』と『教育』をテーマにnelle*hirbel(通称ねるひる)を中心に学びクリエーターチームで情報を発信しています。 YouTubeチャンネルでは、音楽×英語の動画コンテンツと英語レッスンを生配信しています。

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