アーティスト石村嘉成さん、素晴らしい動物の絵で人々を魅了し続けています。その生き様は、映画にもなりました。


彼を育てた大きな力の一つ、トモニ療育センターの河島淳子先生が、2025年2月10日急逝されました。83歳でした。
https://tomoni-kawashima.jp/news20250214.html
「・・・かみのわざは ちいさくても 神のみ手が はたらいて なやみの多い 世のひとを あかるくきよく するでしょう・・・」という、お好きだった讃美歌の一節の通り、多くの悩みを抱えた人々の心をあかるく、きよく、照らした生涯だったと思います。
河島先生の急逝は、YouTubeを見て知りました。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rsk/1739414?page=2
「叱らないけど譲らない」という方針で多くのひとを導いた河島先生、安らかにお眠りください。私は遅きに失しましたが、今からトモニの療育を学んでいきたいと思っています。
さて、3月14日、石原嘉成さんの姿を描いた番組が放映されました。NHK松山放送局・ひめDO『石村嘉成しろくまピースを描く』です。
30歳を迎えた嘉成さん。父の和徳さんは64歳です。「いつか一人で生きていかないと」と語る和徳さんの言葉に、河島先生の息子さんの高弘さんの顔が浮かびました。お元気で過ごしていらっしゃいますように。
「不都合な真実に触れたくない(和徳さん)」嘉成さんは、その言葉を「よいしょ」という掛け声で消しているようすでした。しかし、嘉成さんは、ちゃんと考えていました。
幼い頃から何回も通っていた「とべ動物園」には、日本で初めて人の手で育てられたしろくまのピースがいます。嘉成さんはピースを描きたいと考え、お父さんとともに、飼育員の高市康弘さんにインタビューを行い、イメージを膨らませました。昨年の12月17日ピースの25歳の誕生日のことでした。
嘉成さんは、ピースちゃんを「優しく」描きたいと考えています。ラフスケッチからキャンパスに描いていく途中、嘉成さんは、生まれて初めて、一人で図書館に行き、一人で欲しかったピースの本を見つけ、一人で借ります。自分で決めた挑戦でした。
生まれて初めて一人で借りた絵本を読んで、嘉成さんは「絵本からピースちゃんの幸せをわかってきました」「ピースちゃんがなんで優しいのかというと、飼育員の高市さんを楽しそうに待っているイメージです」「目にこだわりがあります。生き物の感情が出るから」と語ります。
何度も何度も作品に手を入れ、しろくまピースの絵は仕上がっていきます。そして最後に目に命を吹き込んで、作品が完成。「誰かを待っているしろくまちゃん」です。作品を見た父和徳さんは「よし君が父を見る目と一緒だね」と語ります。

嘉成さんは、初めて一人で動物園に絵を持参していきました。お披露目された絵をみた、ピースも嬉しそう。ピースの育ての親である高市さんも大喜びです。「初めて一人できました」という嘉成さんに「何度でもまたおいで」との言葉。嘉成さん、ピースの絵の完成と共に大きな一歩を踏み出しました。
天国の、母有希子さん、河島淳子先生も、ともに、喜んでおられることと思います。



2025年3月16日(日)
