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本 “奇天烈”議会奮闘記〜市民派女性市議の8年間〜熊野以素

熊野以素さん。

高校の社会科の教員が、親の介護を通じて「高齢者福祉を考える豊中市民の会」を立ち上げ、早期退職後大学院で社会保障法学について学び、61歳で豊中市長選に出馬、惜敗。66歳で豊中市議会に登場。「平和主義と社会保障」を旗印に議論の風を議会に起こした、パワフルな女性です。豊中を舞台にした森友学園問題の発火点にもなった方です。

この方のこの本、それは面白いです。奇天烈(=非常に不思議)な、議論を好まない予定調和主義の市議会のなかで、議論の風を吹かせ、多くの仲間(もちろん敵も多いのですが)を得、巻き込んでいく様子が生き生きと語られます。市会議員として活躍された8年間には、東日本大震災での真実隠し、介護保険についての論争、子ども条例づくりを巡る論争、生活保護論争、平和主義論争、そして森友学園問題、教科書選定問題、など多くの出来事がありました。一つ一つの出来事や論争に正面から準備周到に取り組んでいく熊野さんのパワーに圧倒されながら、それぞれの出来事論争が面白くて夢中で一気に読んでしまいました。

はじめに、で、こう語られます。「男女格差の国際的比較で日本は149カ国中110位(世界経済フォーラム2018年)。政治経済分野での女性の進出度が極めて低い。国会はもちろん、地方議会でも女性は数えるほどである。市民の半分は女性であるにも関わらず、公の場面での発言は男性ばかり。「黒の議会」と呼ばれていた。ようやく2019年「政治分野における男女共同参画推進法」が施行された。これを機に女性が政治の世界に進出することを期待して、「市民派女性市議・熊野いそ」の8年間を振り返ってみようと思う。少しでも政治を志す女性の方の参考になればと願って。」

老若男女の政治を志さない方、にも、この本はぜひ読んでいただきたいと思います。私たちの一番身近にあるはずの市議会のこと、また市役所のこと、私たちはほとんど知らないですから。そして純粋にこの本面白いです!

 

2021.1.24(日) ようやく雨の止んだ夜に。

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たつこ
たつこ
今でも手元にある「長くつ下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」が読書体験の原点。「ギャ〜!」と叫ぶほかない失敗をたび重ねていまに至ります。

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