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万葉の花〜つばき〜趣味の園芸より

12月13日(日)の、Eテレ「趣味の園芸」は「万葉の花〜椿〜」でした。

海石榴・都婆吉・都婆伎・・万葉仮名で書かれたツバキ。そして椿という字も万葉集に用いられているそうです。

巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を

坂門人足 万葉集巻一・54

巨勢山に列々(つらつら)と連なる椿の木をその名のごとく熟々(つらつら)と見ながら偲び賛美しようではないか。巨勢の春の野に椿の花が咲くありさまを。

701(大宝元)年9月の歌。この年に日本最初の本格的法典「大宝律令」が制定され、 文武天皇と持統太上天皇は紀伊の国に行幸しました(9月18日出京、10月8日白浜着)。訪れる先々の土地を歌で褒め称えるのがならわしで、椿の歌もその一つです。この歌の特徴は「花のない秋に花の咲く春の風情を歌っているところにある」と番組では紹介しています。「椿」は春を呼ぶ花、新しい年を寿ぐ花として、この字が当てられたと考えられています。(「椿」の読みを「都婆木」と書いた木簡が徳島県から出ています。)万葉人にとっては、春とツバキは強く結びついていたのです。(中国で使われている「椿」の花は別の花だそうです。)

巨勢山は、現在の奈良市御所市古瀬周辺の山と言われ、椿が群生していました。御所市にある「玉椿山阿吽寺(ぎょくちんざんあうんじ)」には、現在でもたくさんの椿が自生してい

ます。

この当時のツバキはヤブツバキが中心。

艶やかな厚みのある葉、赤い花と黄色の蕊の対比が美しく、その花が散らずにぽとりと落ちる風情がさらに人々を惹きつけます。巨木になり、遠くからでの点在する赤い花が見られます。また、ツバキの木は材として使われており、種から取るツバキ油も、様々な用途に古来使われてきた身近な木です。一年中生き生きとした緑の葉を持ち、寒さに負けず花を咲かせるツバキは、霊力のある木としても人々に崇められてきました。奈良市の護国神社あたりは平城京の貴族達が狩りを行う場所だったそうで、椿が多く自生しており、現在は1000種1万本もの椿が植えられており、3月にはツバキ祭りが行われます。http://atoji.nara-kankou.or.jp/023flower_spot/gokokujinja/0000000001/

新潟県立植物園の椿園は、今満開ということです(今日は雪が降っているでしょうね)。https://botanical.greenery-niigata.or.jp/plant/

ここのヤブツバキも、巨木となっています。新潟では雪解け後の4月に満開になります。いま、世界で2万5千品種の椿が登録されていて、その7〜8割がヤブツバキを親にしているそうです。

ユキツバキは、新潟県の木になっています。花弁が大きく開きます。

椿は新潟県の特産。椿だけに特化している農家の6代目長尾さん、百五十品種もの椿を栽培しておられます。長い間愛されているこの日本古来の花木を大事にしていきたいとおっしゃっています。

新潟市産の椿の中からオススメの品種。ヤブツバキ系の、菊冬至=モダンでエレガントな花ですが250年もの歴史を持つ美しい花です、重ねもいいですし、白と赤の絞りの様子がエレガントです。

参平椿=単で花が大きく、赤と白とピンクの絞りが、複雑に入る美しい花。

白妙=シルクのような透き通る白が美しい。

ユキツバキ系の、松波=白に赤い絞りが入り、真ん中の雄しべのところが花弁化しているのが美しい。

紫炎=アメリカで交配した品種をさらに日本で改良した、大きな花が華やかに開きます。

椿の育て方・・・私は椿を挿し木して三年目、まだ花は咲きません・・・注目です。水はけの良い土、西日の当たらない半日陰に置き、表面の土が乾いたら水をたっぷりあげ、2〜3月と9月下旬に緩効性化成肥料をあげることが大事だそうです。庭で育てるときは剪定が大事、花後に行い風通しをよくすることが大事だそうです。

万葉びとが愛した椿、1300年を経て世界に広がっています。

日曜の趣味の園芸、今日見ました。楽しかったです。

2020.12.15(火)冬将軍到来、あちらこちらから雪便りが届いています。

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たつこ
たつこ
今でも手元にある「長くつ下のピッピ」「やかまし村のこどもたち」が読書体験の原点。「ギャ〜!」と叫ぶほかない失敗をたび重ねていまに至ります。

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