2月1日(土)日経新聞「リーダーの本棚」欄に、国際教養大学理事長・学長の、モンテ・カセム氏が登場しました。
スリランカで仏典を学んだ中国の高僧、法顕(ほうけん)が、ため池(灌漑施設)技術を中国に持ち帰り書物にしたものを、400年後空海が学び、日本に持ち込んで、香川県の満濃池に代表される「ため池」が造られたという話から始まる、この文章に惹きつけられました。
というのも、私は1月にスリランカを旅して、たくさんのため池を見、その技術の古さについてびっくり仰天したからです。
スリランカという国について知識を持たないまま、旅に出た私でした。帰国して偶然日本で活躍するスリランカ人のモンテ・カセムさんの文章に出会えて嬉しかったです。カセムさんの読書遍歴にその考えの遍歴が垣間見られて興味深かったです。
読書遍歴、愛読書として、
『マインズ・アイ』(D・R・ホフスタッカー、D・C・デネット編著、坂本百大訳、TBSブリタニカ)
『社会的共通資本』(宇沢弘文著岩波新書)
『日の名残り』『クララとお日様』(カズオ・イシグロ著、土屋正雄訳、ハヤカワepi文庫)『浮世の画家』(カズオ・イシグロ著、飛田茂雄訳、ハヤカワepi文庫)
を挙げておられますが、私が印象に残ったのは、『共感革命』(山極壽一著、河出新書)です。人類の繁栄につながる言葉の獲得による「認知革命」より先に「共感」という大きな革命があったと主張しているこの本から、カセムさんは、現代人の心の健康と「共感」との関係の深さを示唆します。
スリランカの方が、日本で大活躍しておられること、すばらしいと思いました。スリランカで大活躍しておられる日本人の方もきっとおられることだと思います。
2025年2月1日 次のサイトの記事はカセムさんの人となりがよくわかる記事です。子どもたちを便利な生活環境だけで育てたくなかったので、キャンプになどによく連れて行ったそうです。
https://www.kanjukutimes.com/media/kiji.php?n=2528
